メットライフ生命「#老後を変える」編集部 2017.12.15この記事の所要時間:約4分

「皆さんが感じている不安というのは、そのほとんどが正体が見えないことによる漠然とした不安なんです」

そう話すのは、PlanSmart(セミナーを活用した従業員向けの金融教育プログラム)プラチナ認定講師の伊部洋さん。これまで多くの「将来不安」と向き合ってきた伊部さんによると、将来不安は世代ごとに変化があるものだそうです。

 

不安を抱える人のイメージ画像

 

「具体的には30代は住宅、40代は子どもへの教育。そして40代後半〜50代は老後のことで不安を感じます。でも、人生におけるお金との上手な付き合い方は学校では教えてもらわなかったことですし、初めて通る道で不安になるのは当たり前といえば、当たり前です。未知のために、誰もが一歩を踏み出すことをためらってしまいます。それが将来不安の正体です」

将来不安を払拭するためには、まず不安を感じさせているものが何かを「見える化」する必要があります。

「2016年末にマネーセミナーでお会いした30代のご夫婦が『相談することが見つからない』とおっしゃって。『でも、不安なんです』ということで、具体的にヒアリングさせていただきました。現状を一緒に把握していくことから始めたんです。実際に、例えば住宅を買った場合と賃貸ではこういう違いが出てきます。例えばお子様が生まれたら、教育費などがこのくらいかかります……といった風に、お二人の将来をシミュレーションしていきました」

伊部さんとの対話で自分たちの現状把握ができたご夫婦は、当初は住まいは賃貸派、子どもはいなくても……という考えだったそうですが、3ヵ月後には住まいを購入、子どもも一人欲しいねという考えに変わっていったそうです。

「賃貸暮らしであることもお子様についての考えも、将来不安から来る思い込みによるものでした。実際にシミュレーションをしてみれば、家を買ってもいいし、子どもも育てられるということに気付かれたようです。いったいいつまでに、どのくらいのお金が必要になるのか? 目標をしっかりと定めれば、ほとんどの人は不安が消えて、達成のために一歩踏み出されます」

さらに目標達成のためのポイントは、「お金をただ貯めるだけでなく、お金にも働いてもらうことです」と伊部さんは話します。

 

「収入-経費=貯蓄」型から「収入-貯蓄=経費」発想へシフト

「貯蓄はどのようにしていますか? とお伺いすると、多くの方は収入から生活費を引いて、余ったお金を貯金すると話されます。でも、これではお金は働きづらい。なぜなら、余ったお金というのを見てしまうと、どうしても、少しぜいたくをした後、残りを貯金へ……という気持ちになりがちだからです」

この状態について、伊部さんは次のような計算式で表現してくれました。

 

収入(給与)-経費(生活費・住居費など)=貯蓄(漠然とした目的)

 

大切なのは、今もらっている収入(給与)は、「今の自分のためだけのお金」ではなく、「未来の自分のためのお金」と考え、貯蓄に充てるお金を初めから取っておくことだといいます。

「ですから、未来の自分に必要なお金がどのくらいかを導き出し、そのために必要な毎月のお金を逆算し、それを収入からまず引いてしまうことが重要なのです。この計算式は以下のようになります」

 

収入(給与)-貯蓄(明確な目的)=経費(生活費・住居費など)

 

将来的に必要なお金を確保した上で、日々の生活費に充てる経費が算出され、その経費に即した生活をすることで、未来に対する安心が生まれると伊部さんは話します。

 

便利で豊かになる暮らしの一方で、生活コストは増加傾向

「私たちを取り巻く生活環境は日増しに便利になってきています。例えばスマートフォンなどの携帯端末を誰もが持つようになったのは、本当にここ数年の話です。そして、便利なサービスを享受した結果、私たちは通信料金という新しい経費を支払うことになっています。利便性を高めれば、コストが発生することは明らかです」
同じことは健康などにも言えそうです。多忙なビジネスパーソンは、健康な体を維持するために、ジムなどに通うこともあるかもしれません。ここでもまたジムのコストが発生しています。老後になれば、今よりも医療が進歩し、より良いサービスを受けられるかもしれませんが、そのときはまた今まで以上にコストが発生するかもしれません。

 

健康維持コストのイメージ

 

「サービスの質が向上すれば、生活コストの単価は上昇します。身近なところで食品などの値上がりはもちろん、少子化に伴って大学などの教育産業は値上がりし続けています。こうしたお金のありようを考えられるようになることが、将来不安払拭の足がかりになるともいえます」

人生100年時代といわれる今、健康なうちに将来のことを設計し、未来に対する備えをしておくこと。そのためには、まず自分の将来を「見える化」させ、必要なお金などを明らかにすること。そうしてはじめて、将来に対する準備をどうすればいいのかが見えてくるのだと伊部さんは教えてくれました。

 

伊部洋さん

 

<伊部洋さんプロフィール>
PlanSmartプラチナ認定講師、エグゼクティブコンサルタント。
CFP®認定者(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会会員)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
1973年10月生まれ。東京都東村山市出身。
学習院大学文学部史学科卒業後、野村證券に入社。
1999年メットライフ生命(旧アリコジャパン)に転職し、CFP®として今までに1000世帯以上の家計改善の相談を受ける。
現在はママ向けセミナー、企業の社員向けセミナーなど、数多くのマネーセミナー講師も務める。
その他、1級小型船舶操縦免許の資格を保有。

 

 

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Posted: December 15, 2017