メットライフ生命「#老後を変える」編集部 2018.2.16この記事の所要時間:約5分

老若男女を問わず人気が高い「寺社仏閣巡り」。その魅力と楽しみ方をご紹介

いつでも誰でも気軽に楽しめることから、老若男女を問わず人気の「寺社仏閣巡り」。適度な運動にもなるため、老後の趣味としてもおすすめです。

では、実際に行ってみようと思ったとき、何を基準に訪問する寺社仏閣を選ぶのでしょうか。

「いただけるご利益」や「旅行のついでに」、お寺であれば「仏像を観に」など、人によってさまざまな理由があると思いますが、“寺社仏閣を建築物として楽しむため”という楽しみ方もあります。

そこで今回は、誰もが一度は耳にしたことがある有名な寺社仏閣を例に挙げ、意外と知らない建築物としての秘密や隠れた魅力、その楽しみ方をご紹介します。訪れる際の楽しみが増えるだけでなく、ちょっとした席を盛り上げる話題のネタとしても活用できるかもしれません。

海の中に建つ厳島神社の大鳥居は、なぜ倒れないの?

広島県廿日市市にあり、「安芸の宮島」とも呼ばれ日本三景の一つに数えられる厳島(宮島)。その地に593年に創建されたとされる「厳島神社」は、建造物のうち17棟3基が国宝・重要文化財に指定されており、一年を通して多くの観光客が訪れる人気のスポットです。

中でも注目を集めるのが、海上にそびえ建つ高さ16m、重量約60tもの大鳥居。海上に建てられているのは、厳島(宮島)全体を神が宿る御神体として信仰の対象としているため。神が宿る神聖な島の上に建物は建てられないと、内地を避けて創建されたものといわれています。

 

大鳥居写真

 

実はこの大鳥居、海底深くに埋められているわけではなく、鳥居自体の重みだけで建っていることを知っていますか?大昔に建てられ、さらに埋め込まれてもいないのに、なぜ台風や大きな地震が起きてもびくともせずに建っていられるのでしょうか。

その秘密の一つは、鳥居の一番上部に取り付けられている島木にあります。厳島神社の大鳥居の島木は箱型に作られており、中に約7tもの玉石を詰め込んで重しにしてあるのです。また主柱、袖柱あわせて6本を足とし、柱と屋根が交差する部分にはくさびが施され、動きやひずみを吸収できるように設計されているほか、海底部分には松材の杭を打ち地盤を強化したのち、その上に布石を並べて基礎の代わりとしています。

また素材には腐りにくく虫にも強いクスノキを使用。海の中に何百年もあれば素材が腐るのは当然ですが、そうしたときにスムーズに修理をしたり取り替えたりできるよう、木造を採用したのも先人の知恵なのです。

潮の満ち引きによって見える姿が異なることも大鳥居の魅力。満潮時には海の中に悠然とそびえる姿を見ることができますが、潮が引いている時間帯には大鳥居の真下まで歩いて渡り、大鳥居に直接触れることもできます。次に訪れた際は、潮が引いたときに直接手で触れながら、先人の知恵や技術を肌で感じてみてはいかがでしょうか。

1200年前に建てられた清水寺が壊れない理由

日本が世界に誇る世界遺産「清水寺」。中でも一際多くの人で賑わい、“清水の舞台から飛び降りる”ということわざでも有名な「清水の舞台」を支えるのは、高さ約12m、周囲約2mを超える18本のケヤキの柱。「懸造り(かけづくり)」と呼ばれる伝統工法で作られており、釘を1本も使わずに長年にわたってその舞台を支えています。

「懸造り」とは、束石の上に柱を立て、柱同士を貫(ぬき)と呼ばれる木材で組み合わせていくことで、強度を増していく工法。この工法により急な崖の上でも高い耐久性を保ったまま、長い間建っていられるのです。

木造建築の弱点ともいえる水に対しても、先人の知恵が活かされています。舞台そのものが軒先方向に向かって緩やかな傾斜を付けて建てられており、舞台に降る雨が自然と崖に流れ落ち、さらには舞台に水が溜まらないようになっているのです。また柱に取り付けられた無数の貫一つひとつにも小さなひさしが取り付けられており、雨に濡れて腐らないよう工夫されています。こうした先人の細かな技術と配慮が1200年もの長い年月の間、一度も崩れることなく、今もなお多くの人に愛される「清水寺」を支え続けているのです。

舞台の上から京都の美しい景色を眺めるだけでなく、下から先人の優れた技術を感じるという楽しみも「清水寺」にはあるのです。

古代の人は木の達人!? 繊細な気配りと豊富な知恵

現在、日本国内にある重要文化財建造物の9割以上が木造建築といわれています。一般的に鉄骨や鉄筋コンクリート、石造などに対して劣化のスピードが早く、さらに水や虫などの被害も多いという印象の木造建築ですが、なぜ先人たちは木造建築を採用してきたのでしょうか。

 

木の柱のイメージ写真

 

その理由は、修理のしやすさにあります。前述した清水寺では、支える柱の腐食した部分だけを切り取り、新しく木材を継ぎ足す「根継ぎ」という技法を1,000年以上職人が受け継ぎ、大幅に建て替えることなく「清水の舞台」を支え続けています。

ほかにも日本の建築物には、職人が木について熟知していたことがわかる技術が多く隠れています。

その一つが、唐招提寺金堂内陣など古い時期の建築物に見られる「斗(ます)」の造り方。斗とは、建築物の柱上にあり軒を支える役目をしている木材のことを指します。斗は使用する際、木の繊維方向はどちらを向いていても問題ないのですが、唐招提寺金堂内陣では繊維方向を一定方向に揃えています。彩色の専門家によると、彩色顔料は木材の木表、木裏、木口面でその発色の具合も、その後の変色状況も異なるのだそう。より美しく色が映えるよう、大工が木材の繊維方向にまで配慮したものだと考えられています。

このように、日本の職人は木材が持つ性質を熟知しうまく利用することで、耐久性のある建築物を多く生み出してきたのでしょう。

寺社を訪れる際は、建築の細部にも注目してみよう

今までは多くの人が、「旅行のついでに」「ご利益のために」などという理由で訪れていたであろう寺社仏閣。

しかしその建物には、昔から大切に受け継がれてきた先人の職人の知恵や技術が至るところに息づいています。全国各地にある寺社仏閣それぞれに異なる建築様式や細かな工夫を調べることで、知識が増えるだけでなく、人とはちょっと違った楽しみ方ができるはずです。また旅行を楽しむということは、適度な運動にもなり健康維持にもつながることが期待できるでしょう。

年を重ねても気軽に楽しめる「寺社仏閣巡り」を、建築様式にも注目しながら始めてみてはいかがでしょうか。

 

 

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Posted: Feburary 16, 2018