メットライフ生命「#老後を変える」編集部 2018.9.21この記事の所要時間:約6分

7月22日、東京・お台場で第23回国際女性ビジネス会議が開催されました。1996年から毎年夏に開催されている同会議は、プロフェッショナルとしての誇りを持ち、仕事で貢献していこうとする人たちに必要な知識や技術、交流の機会を提供することが目的。23回目のテーマは「LIVE STRONG」。48名のスピーカーによる10時間のプログラムで行われました。

同会議の実行委員長を務める佐々木かをり氏(株式会社イー・ウーマン代表取締役社長)は「これまでSTRONGというと男性的な強さという意味合いが強かった。本会議では強さについての再定義を行いたい」と話します。会場に並べられた円卓に女性だけでなく、男性も座り、会議が始まる前から盛んに交流が行われていました。「#老後を変える」では、同会議と佐々木氏への個別取材を行いました。

 

佐々木かをり氏 佐々木かをり氏

 

チャンスを逃さないことが、将来を変える

スピーカーの一人、サラ・L・カサノバ氏(日本マクドナルド株式会社 代表取締役社長兼CEO)はセッションの冒頭で「昨今ダイバーシティについて、その重要性を説かれていながらなぜ実現できていないのか?」と問いかけ、その原因は日本文化のせいなどではなく、女性が自信を持てていないことだと言及しました。同社では、女性の社員に昇進を打診すると、60%がためらうそうです。その理由は「自分に自信がない」こと。

「男性社会の中、女性がビジネスシーンで働く上で男性になりきる必要はありません。女性のままで、問題ないのです。私自身もそうです」

 

サラ・L・カサノバ氏 サラ・L・カサノバ氏

 

カサノバ氏は自分が現在のキャリアを築くことができた要因は、自分に自信を持って活動したことであると明言しました。そのための“秘伝の3つのソース(マクドナルドだけに)”を参加者に向けて披露しました。

1.      Strive to be better every day(絶えず自分を磨く)

2.      Be confident and persistent(自信と粘り強さを持つ)

3.      Say yes to every opportunity(あらゆるチャンスに「イエス」と言う)

カサノバ氏自身もマクドナルドへの就職で一度失敗し、それでも諦めきれず、自国カナダのマクドナルドの社長に手紙を書き、自分自身を売り込みに行ったそうです。その時には、自らが培ったこれまでのキャリア(例えばマーケティングなど)を生かせたと話します。

秘伝のソースのうち、特に強調していたのは3つめのソース。その例として、ロシアのマーケティングシニアディレクターのポジションを打診された際のエピソードを紹介しました。カナダ出身のカサノバ氏にとっては、ロシアは未知の国。言葉も通じないなどという不安を抱えながら準備をしていても始まらないと考え「イエス」と答えたそうです。結果、ロシアでの成功が彼女のキャリアを押し上げていきます。

「男性はすぐイエスと答えてしまいがちですが、女性は全ての不安が解消されないとイエスと言いづらいのではないでしょうか? 私も実際にそうです。しかし、この『イエス』が次の機会を生み出すのです」と強調しました。

また別のセッションでは、土木技師の阿部玲子氏(オリエンタルコンサルタンツグローバル インド現地法人 取締役社長)がスピーカーとして登壇。

 

阿部玲子氏 阿部玲子氏

 

阿部氏は大学でトンネル工学を学んだのにもかかわらず、女性であるという理由で6年間、現場に立つことができませんでした。「それなら海外に行ってしまおう」とノルウェーに留学。その後、台湾高速鉄道(台湾新幹線)トンネル工事を担当し、2007年からインドの地下鉄「デリー・メトロ」の現場監督になりました。着任当時を次のように振り返ります。

「現場で自己紹介をした時に『女なのか?』とざわめきが起きました」

それでも約250人の男性作業員の監督として尊敬され、今では「マダム」と呼ばれるようになったそうです。2007年から現在まで、住まいを持たず現場の近くのホテルで住み続けている阿部氏。女性ならではのきめ細やかさと厳しさで、安全管理や環境向上などを徹底し、現在も活躍を続けています。

カサノバ氏も、阿部氏も自分にとって未知の世界へ足を踏み出し、そこでキャリアを積んでいきました。「大切なのは自分自身が変わること」と佐々木氏も解説します。「自分一人を変えることなら、それほど大変なことではないはず。一人ひとりが変わっていけば、世界は大きく変わるはず」

ダイバーシティ対応には、トップとボトム双方の変化が必須

女性たちの活躍について展開される一方で、なぜダイバーシティが広がらないのか? この点について、ジョンソン・エンド・ジョンソン代表取締役、カルビー代表取締役会長兼CEOを経て、RIZAPグループのCOOに就任したばかりの松本晃氏は「トップマネジメントの必要性」について言及しました。

 

松本晃氏 松本晃氏

 

「ビジネスの世界は、『数字』の世界。数字で示していくしかない。ダイバーシティなど、新しい改革を起こすことは、誰かの既得権を奪うことでもある。だからこそトップマネジメントで断行し、かつ数字で成果を示すしかありません。私はそれをしてきました。ここにいるみなさんが変わるだけではなく、企業(会社)のトップも変わる必要があります」

すでに世界各国で女性が労働することで、多大な経済効果を生み出すことが研究発表で出ているとも言います。

佐々木氏は「#老後を変える」の個別取材の際にも「トップマネジメントでダイバーシティは一気に普及します。GOサインが出るのは遅いけど、出たら一気に浸透する、というだけでは足りません。GOサインが出た時に、企業のトップを含めた全員が変わっていなければ、結局ダイバーシティは“絵に描いた餅”になってしまいます」と私たち一人ひとりが変化に対し備えておくことの重要性を訴えました。

人生を変えるチャンスは自分でつくる

同会議にはメットライフ生命保険株式会社の代表執行役 会長 社長のサシン・N・シャー氏も登壇しました。サシン氏は幼少時の移民経験から「人種の違い」を学び、そしてそれが謙虚さにつながったと話します。そして、それが自分自身の経営スタイルにもつながっていると振り返りました。

 

サシン・N・シャー氏 サシン・N・シャー氏

 

「経営者が誰も見えないところで仕事をするべきではありません。会社のオフィスや働き方など、それらは従業員のためにあるのです」とダイバーシティに対する理解を示した上で、さらに人生100年時代と言われている日本の老後に対するイメージも変えていきたいと話します。

「米国などでは、リタイアをした後はゴールデンイヤーと言われるほど明るいイメージです。しかし、日本では否定的に思う方もいる。このイメージを変えて、一人ひとりが明るくて楽しい人生を歩めるサポートをしていきたいと考えています」

老後を楽しむポイントとして、サシン氏は「心と体の健康」と「お金」の重要性を説きました。

「LIVE STRONGの『強さ』は強く生きることにも通じます。将来にやってくる長い老後をどう楽しむのか? そのために何をすべきかを今から計画することが大切です」とサシン氏は計画の重要性についても言及。

同様に、佐々木氏も「私は手帳を自分自身でプロデュースしていて、その使い方をみなさんに広めています。毎日の行動が人生をつくるのですから、他人との約束だけを基本に動くのではなく、自分の人生脚本を書く、自分を予約して思い通りに動く、といった考え方で毎日の自分を動かしてほしいと思います」と個別取材の際に述べました。

 

佐々木かをり氏 佐々木かをり氏

 

同会議では「#老後を変える」のいつも“今”が一番! 失敗さえも楽しめる生き方とは? で取材をした、若宮正子氏もスピーカーで登場するなど、さまざまな講演者が「自らの体験」を語り、その体験を通じて参加者にポジティブな影響を与えたようでした。

佐々木氏は個別取材の締めくくりに「私は、本を読み知識を得るだけではなく、自ら実際に感じることも大切にしています。今回の会議では、中学生の女の子が自分のお小遣いで来てくれました。イエス、と考えて動き、自分の人生を楽しく、ポジティブにしていけば、周囲の人の考え方も変わるはず。そういうふうに、良いほうに動かして私たちは世界を変えていきたいのです」と未来の展望を示しました。

新しいことに一歩踏み出す時には、怖さが伴うのも事実。しかし、踏み出したその先では、プリズムを通したように多種多彩の光が放たれることが、この会議を通じて多くの人に伝わったのではないでしょうか。

 

佐々木かをり氏

 

<佐々木かをり氏プロフィール>
横浜生まれ。上智大学外国語学部比較文化学科卒業。1987年に国際コミュニケーションのコンサルティング会社(株)ユニカルインターナショナルを設立。同時にテレビ朝日「ニュースステーション」レポーターに。2000年(株)イー・ウーマンを設立、「ダイバーシティでイノベーションを起こす」をミッションに、企業向けのコンサルティング等を行なっている。2018年11月には日本初「ダイバーシティインデックス」も開始。1996年からは毎年夏「国際女性ビジネス会議」を企画、実行委員長を務める。

 

 

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Posted: September 21, 2018